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「興味ないだって、言われているぞ、お前ら」
「ちょ、俺はお前らに含まれてないし」
なんだか、俺の発言から逃れようとする奴が何人かいたから、俺はちゃんと「いや、お前ら全員のことだから」と補足してやった。
「「「悠斗、ひどぉい」」」
「お前らな、嬉しそうな顔して言うなよ、気持ち悪いぞ」
俺はそう言って、ボーリングのボールを投げた。
ストライクしたと思ったのに、ガーターだった。
……少し、運動神経悪い方が、可愛いよな。うん。
斉藤さんこんな俺を見たらきっと笑ってくれるだろうな。
あれ?
どうして、ここで斉藤さん?
女の子じゃないのに。
「あれ…」
胸の中で鳴りだした鼓動に俺は気づいてしまった。
俺は、斉藤さんに、恋をしているのだろうと。
おそらく、初恋。
今まで口説いてきた女や、付き合ってきた女にも感じたことのない、この感情は、きっと俺が知りたかった【恋】というものなのだろう。
ああ、やっと見つけた。
「でも…難関過ぎないか、俺…」
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