それからしばらくおままごとのような二人のやりとりを俺は見て、お兄さんと一緒に帰ることにした。
本当は、あのまま花屋に残って、斉藤さんと一緒にいたかったのだけど、そうすると俺は斉藤さんに質問攻めしてしまうに違いない。
また、困らせてしまうのは勘弁だ。

と、いうことで。

「お兄さん、斉藤さんとは、どういう関係?」

「店員と客」

「本当に?」

「それ以外に何があるっていうんだよ。というか、お前こそ、何してんだよ」

「俺? 俺は斉藤さんになついているの」

「ほどほどにしろよ」

「お兄さんには関係ないでしょう」

「関係なくても、許さないから」

「え?」

「斉藤さんを困らせたら、許さないから」

その言葉に、俺は立ち止まってしまった。
お兄さんはとても切ない微笑みを浮かべている。

それが大きな花束と全く不釣り合いだ。




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