突然の電話ですみませんでした、と、佐々木くんは電話を切った。
突然でも、俺は、それが嬉しかった。
どうしてだろう。
ベッドの上に転がって、天井を見つめる。
答えなんてわかるわけがなかった。

『電話してくれて、ありがとう』

と、俺はそれだけをメールで伝えることにした。
送信ボタンを押すのはかなり緊張した

送信完了のメッセージに、もう取り返しはつかないのだと不安になる。
メールしてよかったのかなって、さらに不安になる。

すると、すぐに俺の携帯のメール受信音が鳴った。

俺は送ったメールがエラーか何かで返ってきたのだと思い、確認したら

『電話してくれて、ありがとうございました』

と佐々木くんから。

俺はびっくりした。

全く同じ時間に同じことを送っていたのだ。

「おかしい」

こんな偶然があるんだなって、俺は微笑む。

『思わず笑ってしまった』

そんな短文で、それだけ読んだとしても、意味なんてわかるわけがないのに、佐々木くになら、伝わる気がした。
不思議だ。

もちろん、言わずとも、佐々木くんから全く同じ内容のメールが送信と同時に来たことは言うまでもない。




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