『斉藤さん、可愛いこと言わないで下さい』

「え、そんなこと言ってない!」

なんだか、照れくさくて俺は慌てている。

『可愛いですよ、本当』

「そんなことないもん」

『もう、やめてくださいよ、俺、ときめき過ぎたら死んじゃいます』

「え! 嘘、嫌だ、死なないで!」

『……斉藤さんって、実はかなり天然?』

「いや、それはない。周りからはよく天然だと言われていたけども、誤解なんだ、それ」

『そういうの、本物の天然って言うんですよ?』

「………認めない」

『え?』

「俺が天然だなんて、認めない」

俺はいたって普通だ。

『わかりました。じゃあ、斉藤さんは斉藤さんってことにしておきます』

それでいいでしょう、と佐々木くんは言った。




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