「何が、だから、俺は本気だって言っているだろう!」

「怒るなって」

「…………」

「悠斗。本当に、その人と仲良くなりたいなら、怖いなんて忘れなさい」

「え?」

「だから、怖いって言っても、そうとは限らないだろう。もしかしたら、悠斗のそういうところもひっくるめて付き合ってくれるかもしれないだろう。というか、嫌われるのが怖いって。馬鹿じゃん」

「俺、今傷心しているのに、馬鹿言わないで」

「言うし、馬鹿は馬鹿だ。だいたい、そうやって嫌われたくない、とか本当の自分を知られたくないとか言っていたらさ、お前が本当に望んだもの、手に入らないんじゃないの。もしもの達成と、もしもの挫折を、目の前に並べたら、お前はどっちを選ぶかって話しだ」

「お兄さん、哲学っぽい?」

「哲学の意味を知らないものが、哲学って言葉をつかうな」

「ヘタレなのに、いいことを言うんだね」

「お前、一言多いぞ」

「これが、俺だから、しかたないでしょ」

俺は、俺だから、他にどうしようもないんだ。だったら…




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