出会いは最悪だった。

友達と悪ふざけしながら下校していたら、突然、何かにぶつかった。
俺は慌てて振り向く。
そこにはとても綺麗な瞳をした人がいた。
これはチャンスとばかりに俺は謝罪ついでにナンパしようとした。
自分で言うのもどうかしているけど、俺は不細工ではないらしい。
ちなみにもっというと美形でもない。
ただ親しみを持ちやすい顔をしている。
おかげで警戒心を持たない女がホイホイと釣り放題。
でも、さ、本当に誰かを特別にしたいとか、思ったことはない。
いつだって、すぐに相手の嫌な部分が見えてしまう。
そうしたら、もう、おしまい。
それでいい。
だって、世の中、吐いてすれるほど、女はいるし。
俺、ストライクゾーンは広いし。
平気。

「あの、大丈夫ですか?」

さっきぶつかったきり、俯いている人に、俺はわざとらしく、謝ってみた。
しかし、無視をされた。
友達たちには「無視されてんの」「ふられた」とかからかわれることになってしまった。

もういいや。
人が謝ってんのに無視する奴なんて。知らない。

「…………あ?」

ひどく申し訳ないと思った。




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