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「営業妨害かぁ! 全くもってその通りですよね、ただ会いに来るだけじゃ」
佐々木くんは少し俯いて言う。俺はどうにかフォローをしようと言葉を探す。
だけど、俺なんかよりも佐々木くんの方が何枚も上手だった。
「でもそれはお客様にいうことじゃないですよ、店長さん」
「どういうことだ」
「俺だって年頃の男の子です。お花に興味があるので、いろいろと佐藤さんとお話をして、教えていただいて、購入しようと思ってはいます」
「ふぅーん。好きな奴にでもやるつもりなのか?」
少し嬉しそうに店長は頬をゆるめた。俺は内心「よし」とガッツポーズを決めた。だけど…
「佐々木くん、好きな子いるんだ」
初耳だ。というか、別に俺と彼はそんなに仲がいいわけでもないが。
ちょっとびっくりした。びっくりしたっていうのも変だけどさ。
佐々木くんみたいなお年頃の男の子なんて恋の一つや二つ。
「はい、俺、佐藤さんのことが好きです!」
「え?」
「おい」
「はい?」
何か変なこと言いましたか?と佐々木くんは首を傾げた。
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