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久しぶりに携帯が鳴ったのを見た。
俺はのそのそと携帯を持ち上げる。
『今日はあれからちゃんと学校に帰って勉強しました。予定がつく日があれば教えてください。一緒にご飯に行けるのが楽しみです』
と、佐々木くんからメールが来ていた。
どうしたらいいのかと俺は考えた。
罰ゲームとか気まぐれじゃない。
本当に佐々木くんは俺とご飯に行くのを楽しみにしている。
ただ人懐っこいだけなのだろうか?
よく、わからない。
「返事どうしよう…」
最近ロクに誰ともメールなんてしていない。
田舎から東京に出てきたっきり連絡のない友人なんて山ほどいる。
あんなに仲良くしていたつもりだったのに、そんなものなのかと俺は寂しくなる。本当に、空虚だ。
「…………」
とりあえず、返事は『ちゃんと学校に帰ってくれたみたいでよかったです。今度の日曜日は一日バイトがないのでよかったら…』と送った。
返事はすぐに来て『そうしましょう!』と書いてあった。
『どうかしましたか?』
俺は気が付いたらそう返信を送ってしまっていた。意味がわからない。
ただ、なんとなく、佐々木くんの文面からいつもの元気が感じられなかっただけだというのに。
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