一番…大切…
その言葉に俺は泣き出しそうになった。

理由は上手く説明できない。
でも…


「帰って」


俺は佐々木くんに学校に帰るように言った。
佐々木くんはポカンとした顔で俺を見ていた。

「嫌です。俺、ご飯に行きたいです」

「…………今度、ちゃんと休みの日にしよう」

こんな時間に約束させてごめんねとは言えない俺に佐々木くんは「嫌です、ご飯」と駄々をこねる。

「俺、すっごく楽しみにしていました」

「…………」

真っ直ぐな瞳で佐々木くんは言う。
俺はどうしていいのかわからなくなった。

「じゃあ、連絡先だけでも教えてください。俺のは教えましたが、俺は貴方のを知らない」

こうして学校に帰ることを言い聞かせるためにメールアドレスを佐々木くんに教えた。




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