「……へ?」

俺の言葉に学生は疑問符を口にする。全くもってそれが普通の反応だよな。
俺は何処か気まずげに「勘違いしているなら、と思っていちお」と笑った。

すると学生は何の気も知らず、

「いえ、そんなの、さっき知りました」

なんてにっこりと笑ったのだ。

「じゃあ、さっきなんて言おうとしたんです?」

あまりにも学生がにっこりと笑うから、俺は直視できず、話を戻す。
そういえば、学生は何かを言おうとしていた。
俺が遮ってしまったけど。

「お詫び、させて欲しいっていうか、仲良くなって欲しいっていうか、そんなエゴを、勢いにのって言いそうでした。すみません」

はっきりと学生はそう言った。
俺はその真っすぐさに、黙ってしまった。

「でもよかったら今度何かおごらせて下さい!」

「…………どうしてです?」

「わかりませんが、きっと、一緒にご飯を食べたら、楽しいと思って」

「何が目的で?」

「え、と……。お詫びって言い訳使っていたら、きてくれませんか?」




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