4
「……へ?」
俺の言葉に学生は疑問符を口にする。全くもってそれが普通の反応だよな。
俺は何処か気まずげに「勘違いしているなら、と思っていちお」と笑った。
すると学生は何の気も知らず、
「いえ、そんなの、さっき知りました」
なんてにっこりと笑ったのだ。
「じゃあ、さっきなんて言おうとしたんです?」
あまりにも学生がにっこりと笑うから、俺は直視できず、話を戻す。
そういえば、学生は何かを言おうとしていた。
俺が遮ってしまったけど。
「お詫び、させて欲しいっていうか、仲良くなって欲しいっていうか、そんなエゴを、勢いにのって言いそうでした。すみません」
はっきりと学生はそう言った。
俺はその真っすぐさに、黙ってしまった。
「でもよかったら今度何かおごらせて下さい!」
「…………どうしてです?」
「わかりませんが、きっと、一緒にご飯を食べたら、楽しいと思って」
「何が目的で?」
「え、と……。お詫びって言い訳使っていたら、きてくれませんか?」
- 16 -
[*前] | [次#]
目次に戻る→
以下はナノ様の広告になります。