でも、いつかそんなこともたわいのないものになるだろうと、俺は思うことにした。
思うことにしたけど、二週間たっても忘れられなかった。

そう、俺はその日、彼が好きだと言っていた花を持って外を歩いていた。
近所のスーパーまで届けるために。
なんでもレジの横に飾るそうだ。
どうでもいいか。

大好きな花を抱えて、辛いなんて、おかしいと思った。
俺が辛いなんて、変だと思った。
だって、俺は傷つけた。でも、傷つけられてなんていない。

ドンッと、何かにぶつかった。
学生だった。
俺は気にもすることなく、落ちた花を拾った。

彼が好きだと言った花。
彼がよく買って帰った花。



泣き出しそうになった。
でも、堪えた。



結局、その日、夜、泣いてしまったけども。





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