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ご飯を食べ終わると、後片付けを始めたお兄さんに気を使うことなく、俺はメールを打った。
実は、お昼、俺を学校に帰るように言った花屋の店員さんに「ご飯行きたいです」と首を横に振り続けて、教えてもらったんだ。メールアドレス。

『今日はあれからちゃんと学校に帰って勉強しました。予定がつく日があれば教えてください。一緒にご飯に行けるのが楽しみです』

伝えたいことたくさんあった。
でもメールはそんな短文になってしまった。

「何、ニヤニヤしたんだ。エロサイト見てんじゃないだろうな」

「ちょ、やめてよ。俺は今純粋に!」

「純粋って何だよ」

純粋って…何だろう。
俺は考えてしまった。考えると悲しくなった。

「別にいいだろう。誰だって、自分勝手だし」

沈黙が重たくて俺はそう言った。だけど、お兄さんは何も言おうとはしない。

「なんか、言えよ…」

「悪かった。デリカシーがなかった」

「いや、別にそこはお兄さんが、考えこむところじゃ……」

「悪い、しばらく、一人にしてくれ」




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