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そうこう悩んでいる内に、『ふじのん』さんからコメントの返事がきた。

『ジュンさんにそう言ってもらえたら嬉しいです。本当に素敵な毎日ですよ。ジュンさんありがとう。俺はジュンさんの優しさに出会えて、勇気が持てて、それで今があるんです。なんて恥ずかしいですけど本当です。だから、こんな話しをして嫌われたらって気持ちもあったんですよ。なのに、ジュンさんは優しい。大好きです。これからもお互い頑張りましょうね。俺もジュンさんの幸せを願います。日記、日常のどうしようもない小話を今度書きますね。書けたらですが(笑)』

……今さらだけど俺は思った。
『ふじのん』さんの『マイニク』って俺だけだってこと。

じゃあ『ふじのん』さんは俺にだけ公開する日記を書いてくれていたのかなって。そして俺に構ってほしかったのかなって。

今さら、『ふじのん』さんの孤独を知ったような気になった。


その時、迂闊にも泣いてしまった。


気持ちがリンクしたような気がしたんだ。
俺のなんてたいしたことじゃないのに。
まるで俺のことのように感じて…。

俺には父がいなかった。生まれた時から。
母さんはそのことについては何も教えてくれない。
聞いたら困った顔をされるから俺も聞かなくなった。
寂しくなんてないはずなのに、やっぱり父がいないことが寂しい。
だから意地を張った。父がいる友達には、嘘をついた。俺には立派な父がいるのだと、理想の父を語った。それがまた空しかった。




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