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その時、俺は一人の人間だった。
その時、彼は一人の人間だった。

なんだか正輝の新曲のような気持ちだ。


「恋音って曲友だちソングみたいだって思ってるんだ」

しばらくして、藤井宅リビングにて、俺と正輝は夜ごはんを食べていた。
だってだってさ正輝が一人で家にいるのが寂しいっていうから。

「いや、そうか。恋音は、俺はあれ、潤をモチーフに作ったんだ」

「お、俺?」

驚く俺に、正輝は頷くと、平然と答えた。

「俺、潤のこと大好きだもん」

「……っ」

俺は箸を落としてしまった。
衝撃が過ぎたんだ。


だって、大好きな人にそう言われるなんて、もう、ね!


もう…ね…もう、嬉しいよね。
なのにどうして何処か少し寂しいんだろう。
切ないのだろう。




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