37




そう、ずっとこの部屋にこもっているつもりだった。
でも君に会えて俺は…

「でも彼も幸せを見つけたんだ。とてもね、愛おしいって思える人がいるんだ。だから、彼は、頑張るんだって。次はちゃんと上手に向き合って、ちゃんとしていきたいんだって」

今日は、急に女子に変な騒がれ方をしたから、怖くなって教室から逃げてしまったけども。

いつまでも、この部屋にこもっているだなんて、俺にはできない。

「潤」

俺は彼から身体を放すと、向き合って、笑った。

「彼の話、夢で見ていて思った。俺も頑張らないとなって」

「うん…でも頑張りすぎないで…」

「え、やだな。俺は平気。辛いのは夢の中の彼」

「じゃあ、どうして正輝は、辛そうなの?」

「どうしてだろう。彼の環境が少し俺に似ていたから、かな」

「辛かったんだね」

まるで自分のことのように悲しそうな顔をして潤は俯いた。

「ううん、でも、それは過去形だよ。今は俺には潤がいる」




- 38 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→


以下はナノ様の広告になります。
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -