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枕が冷たい。
俺は泣いてしまったのだろうか。
泣き虫は変わらないのかな。
ずっと治そうとしているのに、治らない。
寝返りを打つ。
「………え?」
寝返りを打つとベットの横で心配そうにこっちを見ている潤がいた。
何故?
俺は驚いて情けない顔を隠すのを忘れていた。
「あ、お見舞いに来たら、部屋に通されて…でも寝ていたからどうしようかなって思って、ここにいて、その、大丈夫かな?」
「潤、潤っ」
会いたかった。
こんな格好見られたくなかったけど、会いたかった。
「正輝…?」
勢いよく抱きつくと、潤は心配そうに俺の背中をさすってくれた。
俺、泣いてしまいそうです。
「どうしたの、何かあるなら俺は聞くよ?」
優しい声で潤は言う。
俺は甘えてしまいたくなった。
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