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気がつけば、勢いよく、俺は彼を抱きしめていた。
彼は固まってしまった。
奇跡なんて言葉は信じていなかった。
だけど、それはここにあったのではないかと俺は思う。
気まぐれで始めた『ニクシー』。
暇つぶしで見つけた『優しい日記』。
俺の日常を柔らかく変えた『ジュン』。
こうして画面越しじゃない世界で出会えた『君』。
「好きだ…」
偶然なんて言葉でくくりたくない。
奇跡、いや、運命なんだと思った。
運命。
笑えるな。
本当に。
俺は『ジュン』に出会ってから、変になっていく。
でもそれさえも愛おしいだなんて笑えるな。
俺は俺の腕の中でぎこちなくしている彼を見つめながら、今度の新曲の歌詞は、こんな俺と彼のことを描いてみたいと思った。
無謀なことに。
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