俺の名前は、大野潤。ごく普通の高校生。
強いて、特徴を上げるとしたら、藤井正輝という芸能人が大好きってことかな。

「……今日も藤井は休みかぁ」
朝のホームルームでため息交じりに担任の先生は呟く。
そう、今人気が出てきた俺の大好きな芸能人、藤井正輝は俺と同い年で、しかも同じクラスだ。いや、まだ学校に来たことのある彼を見たことないけど。

だから、俺も先生に続いて溜息をつく。

何時になったら来てくれるんだろう。
来てくれたところで、俺なんて藤井にしたら他人だから近づけないけど…

いつも空席の、彼の居場所を見つめる。

俺の、小さな希望と欲を除いても…やっぱり彼には来てほしい。
心配って言ったら変かもしれないけど…心配なんだ。

出席日数とか大丈夫なのだろうか…?
仕事なら特別にオッケーとかそんな制度でもあるのだろうか?


わからない。


だからそのことを先生に質問したら、そんなことよりも勉強をしなさいって言われた。
俺の学力が低いせいなのか…答えはまだ闇のなかである。
だから、もっとも簡単な解決策として彼は登校してきてくれたらいいと思う。
そうしたら、彼だって、俺だって…って、一時間目の授業まともに聞いてなかった。いつのまにか二時間目の数学が始まっている。やばい。




- 2 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→


以下はナノ様の広告になります。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -