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=藤井side=


昨日、日記でインフルエンザが治ったと『ジュン』が言っていた。
今日から登校するのだと言っていた。

嬉しかった。
早く『ジュン』に会いたかった。
そして早くこの前のこと気にしないでと言ってあげたかった。
だから、俺は『ジュン』が学校に行くのに通りそうな道の端っこに隠れて彼が来るのを待っていた。

すると彼は現れて、カーブミラーに映る自分の髪の毛を気にしているように不満そうな顔をしていた。

俺は充分、今のままで、彼は素敵だと思う。
むしろ、寝癖すら、愛おしい。

俺はすぐに彼に声をかけた。
今度は彼は俺の顔をまっすぐに見てくれた。
でも、かなり緊張されてしまっているような…

「あ、あの、この前は、お見舞いに行って迷惑じゃなかったかな?」

俺はしらじらしく聞いた。
『ジュン』は急に顔の色を変えてこう言った。

「そんな、嬉しかったです。でも、俺、風邪が貴方にうつったらと思ったり、いろいろと思ったり、で、そのちゃんとお礼も言えなかったし、礼儀もなかったですが、嬉しかったです。ごめんなさいでした。ありがとうございます!」

「敬語じゃなくていいよ『ジュン』」

「え?」




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