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その日、夢を見た。
俺が『ふじのん』さんと町を歩いている夢。
温かい日差しのなか、二人仲良く歩いている夢。
何の話をしているのかはわからなかったけど、俺も『ふじのん』さんも幸せそう。
*****
「母さん、髪の毛変じゃない?」
「寝癖はいつものことじゃないの」
インフルから解放された俺は今日久しぶりの学校に行くことになった。
でも、そわそわする。
藤井正輝に会えると思うと、ゆっくりと眠っていられなかった。
そうだな、学校に行くよりも2時間も早く起きてしまった。
「違うよ、今日は学校に行くんだよ、母さん!」
「いつも寝癖ついたまま学校に行っていたじゃないの」
母さんは呆れた顔をしながら、微笑んだ。
「でも、そういう年頃なのかな、潤も」
「え?」
「ううん、何でもないわ。大丈夫よ、潤は潤のままで充分素敵よ」
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