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「…………どうしよう」
こんなことで喜ぶなんて可笑しいのに。
どうしよう、どうしよう。
嬉しくて、でも、泣き出したい気持ちで一杯で、わなわなと身体を動かすものの、息苦しくて俺はパソコンの前にかがみこんだ。
泣きそう…
泣くなんて格好悪いのに、泣きそう。
「…なんだよ、それ…」
『ジュン』の本心を知って俺は頭をパソコンに軽く叩きつけた。
「俺、落ち込んで損したじゃん…」
不謹慎だとはわかっている。
でも、嬉しかったんだ。
彼が俺のことを思ってくれたこと。
彼が俺のことを迷惑だと思っていなかったこと。
「でも」
俺は考えた。
彼を元気づける言葉を考えた。
俺のことで悩んでくれて嬉しい、けども、彼が俺なんかのことで悩んでいるのが心配だった。
「………コメントが思いつかない…」
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