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と、伏せながら『ニクシー』を開くと、『ジュン』のこの日記である。
俺はパソコンの画面が滲むなかで三回も読み返した。

『タイトル:しあわせだったけど…
本文:すごく幸せでした。でもよくよく考えらら、俺はとんでもないことをしてしまっていました。愚痴みたいな話になります。駄目そうな人は読まないでください。もし、ぐちぐち、してても読んで下さる人は、読んでくれると嬉しいです。ごめんなさい。実は今日、ずっと待っていた人が登校してきてくれました。嬉しかったです。でも俺は風邪をひいて、しかもそれはインフルで、早退して、なのにどうしてか俺の友達に連れられて彼がお見舞いに来てくれました。幸せでした。頭がぼーとしていたので、よく覚えてないですが、俺はとても最低なことをしました。せっかく彼がお見舞いに来てくれたのにお礼の一つも言えない馬鹿でした。本当は嬉しくてしかたなかったのに、うっかり泣いてしまったので、そんな顔を見られたくなくて、そっぽをむきました。そして、風邪がうつったら嫌だから帰ってと言いました。どうしてそんなことしたんでしょう。今、すごく後悔しています。彼は俺のためにわざわざノートをとってコピーまでしてくれたのに。嫌われてしまったかな…嫌われても文句は一つも言えません。でも、彼が元気ならいいな。インフルとかうつってなかったらいいな。でも、何より、傷ついていなければいいのですが…俺のせいで。上手く語れませんがそんなことがありました。どうやって謝れば彼は許してくれるでしょうか? ごめんなさい。ずっと何もしないで転がっているだけなので、ちょっとセンチメンタルになってて。よかったらアドバイスください。』

コメントは『カナセ@藤井病』さんから『羨ましい!コノヤロー…と言いたいところだが、ジュン、あまり自分を責めるな。あれなら電話してこい。あと、ジュンは彼が好きだから、こそ、そういうことしてしまただけだろ? だったら、正直に謝ればいいと思う』とあって、すぐに『カマイタチ@彼女命』さん…たぶん、勝山から『俺もその場にいたが、藤井はお前のこと心配していた。嫌われたなら、そんな心配されない。俺はあの後、藤井と早くお前がよくなればいいなって言いながら帰宅した。俺から明日それとなく伝えとくぜ、病人は安らかに寝ろ! んで早く元気に学校こいよ。藤井と友達になれるかもだろ!』とあった。




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