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放課後、いそいそと帰ろうとした勝山に俺は「一緒に行ってもいいか?」と聞いた。
すると驚いた顔をして勝山が俺を見つめた。

「だから、俺も、大野の家に行くなら一緒にお見舞いに行きたいなって…駄目か?」

さっきの終わりのホームルームで勝山が『ジュン』の家に届けるプリントを預かっていることは見ていた。
いきなり家に行くっていうのもあれかもしれないが、俺はもう一度『ジュン』に会いたかった。

「今日なら、時間、あるからって思ったんだけど…」

「いいや、いいや、駄目じゃないぞ。ただな、ただな、あいつの家何も面白いものないぜ。なんていうの普通の家だし、何もないし、それでもいいのか?」

「え、ああ、うん」

別に俺は『ジュン』の家が見たいわけじゃない。
ま、見たいと言えば見たいけど。
今はそんなことより彼に会いたかった。
彼の近くに行きたかった。
彼と話しがしたかった。
彼が心配だった。

「じゃあ、一緒に行こうか! あいつ喜ぶぞ。あ、そだ、その前にコンビニ寄ってもいいか? ノートとかコピーして持って行ってやらない……あーっ俺、授業中に彼女からメールきて、授業途中で放棄してたし、どうしよう」

「俺はノート完璧に取ったから、これをコピーしよう」




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