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「けどさ、もしもさ、相手が自分のこと友達としか見れないって感じになったらどうしたらいいと思う?」
俺はつい聞いてしまった。
「じゃあ、友達からはじめたらいいじゃん。後々は恋愛に発展するようにさ。うんまぁ、そいう子もいるよ。大丈夫だって。急に恋愛事は怖がる女の子はいるけど、さ、だんだん一緒にいることにならして、で、次はそうだな手を繋ぐことにもならして、で、だんだんちょっと女の子扱いと特別扱いを繰り返して、好きだよって告げるようにしてみたりして、大切にして、で、落ちない女はいないぜ!」
「…女の子じゃない場合は?」
「え、俺?」
勝山の言葉があまりにも頼りになるような気がして、俺はがっついて、聞いてしまった。
すると勝山は困ったような顔をしてそう言った。
だから、俺は助かった。
「なんてね、冗談。どう、ドキッとしただろ?」
全部なかったことにした。
すると勝山が「俺、真剣に考えたのに」と拗ねた。でもすぐにまた彼女自慢に入る。
俺は残りのお昼休みは勝山の惚気を聞きつつ、彼のことを考えていた。
友達になって、それから、どうにかならないかと…
恋をしてしまったから…
滑稽にも、彼を抱きしめたいと思っていた。
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