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その日、夢を見た。
インフルで寝込んでいた時のことだ。

夢の中には、藤井正輝が出てきた。
彼は俺のためにと、ノートのコピーを…
しかも、俺のために勝山につられて、今日の配布物を俺の家まで持ってくれた。
俺が『病気うつったらヤダから、帰って』と言っても彼はそれでもいいから、とそばにいてくれた。
インフルで弱っていた俺はそれがとても心地よくて、安らかに瞳を閉じ……

「あれ?」

俺は寝ぼけ眼で起き上がる。
夢はどこからが夢なのか…



「ええええええー!」



なんで、夢の中で見た、藤井が俺のために取ってきてくれたと言っていたノートのコピーが机の上に置いてある?
しかも、藤井が、藤井が俺に「お大事に。俺は帰ります。  藤井」とか、なんて、メモ書いてくれている!

まじなんなのこれもゆめ?
だったら叫んでもいいのかな…幸せだって…もう何なの本当。

「母さん〜」

俺は泣きながらこの話を母にしたら、不審な顔をされた。




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