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………俺がどうして学校に登校したくなかったのかを、俺は思い出した。
が、時すでに遅し。校内に入ったら回りに人だかりができて身動きが取れなかった。
そうか、俺、いちお有名人だった。
最近はずっと『ニクシー』で『ふじのん』という普通の高校生をやっていたから、忘れていた。
「サインして!」
「私ファンなんです」
「登校してきてくれて嬉しいです」
「握手してくださいっ」
「写メとか一緒に映ってもらっても…」
「この前のライブ行ったよ」
「ちょっと押さないでよ!」
「私じゃないわよ、後ろが押してくるんだから」
「何、その態度」
段々と俺の周りに集まった生徒が喧嘩を始めかねない勢いになる。
だから、嫌だったんだ…来るの。
「くおおら! お前たち、あ、先輩方も…。その人困っているだろ! 本当にその人のファンなら、そんなことしたら駄目だ! そうだろ!」
急に現れた男子に助けられてしまった。
もしかして彼が『ジュン』かと一瞬可能性を感じたが、違うと思った。
俺の知っている『ジュン』はどちらかというとおとなしい子。
きっと、こういったことになっても、陰から心配して見ているような…
「あ…」
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