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その後、たわいのない話をして、中野くんとも別れた。
一人で家に帰ると兄ちゃんが出迎えてくれた。
俺はずっと言えずにいたけども、恋人ができたことを兄ちゃんに伝えた。
兄ちゃんはすごくさびしそうな顔をしたけども、喜んでくれた。
その時の笑顔が、お母さんのお葬式の時に見せたお兄ちゃんの表情とかぶって、俺は悲しくなった。
無理をしてくれたんだと思った。
兄ちゃんはいつも俺に気を使ってくれているって思った。
でも、俺はそれでも中野くんが好きだ。
だから、たった一人の家族を悲しませても、俺は中野くんといつかは一緒に暮らしたい。
兄ちゃんだっていつかはわかってくれると俺は信じることにした。
「ごめんね…なかなか言い出せなくて…」
「ううん、いいんだよ。幸がしあわせになってくれたら、兄ちゃんは嬉しいから。じゃあ、今日は特別においしいものでも食べに行こうか?」
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