「嫌だ、ずっと一緒にいたかった! そう思ったんですが、俺、気がついたんですよね。これからも会おうと思えば会えますよね」

「うん、そうだよね。俺も、中野くんとたくさん会いたい。迷惑にならなければ」

「迷惑じゃないですよ。俺だって会いたいと思いますから。それに、大学に行かれたからって、俺は不安になんて思わないんですからね! 俺は、貴方が浮気出来ないほどに茶々いれしますから」

「あはは、入れてよ、茶々を一杯。そうしたら、俺も嬉しいな。不安じゃないかな。そうだけ中野くんが俺に構ってくれるなら、中野くんだって浮気できないんだからね」

「浮気なんてするつもりないですよ、だいたい、俺の中は香坂先輩で一杯です」

「……あ、そういえば、俺さ、今日で卒業だったから、明日からはここの生徒じゃないんだ。だから、中野くん、先輩呼びと敬語はやめてほしいな。名前で…その、呼んでほしい…」

「はいっじゃあ俺の名前も呼んでほ…しい」

「ありがとう、ユウジくん」

「くん、は、いらないよ。なんか年下みたいで嫌だ!」

「え、ええ、えと、その、ユウジ…?」

「幸、なんで、そこは疑問形なの」




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