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「誰の声真似なの、それ」
俺はおかしくて笑いながら振り返る。
そこにはちょっと照れくさそうな顔をした中野くんがいた。
「木村先生の真似。似てなかったですか?」
「似てたけど、俺は中野くんの声を聞き間違えたりしないよ」
「…ちょっと何それっ」
「?」
急に顔を真っ赤にして俯いた中野くんに俺は首を傾げた。
何か言ってはいけないこと言ったのかな…?
「それよりも、香坂先輩、ご卒業おめでとうございます」
「…ありがとう」
「早いですよね。俺、香坂先輩と一緒にいて楽しくて、あっという間でした」
「俺もね…」
「そんな顔しないでくださいよ。俺も寂しいのは一緒なんですから…」
「そっか…」
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