あれ?

「な、中野くん、見上げている件については、禁句だよ! 俺どうせ、背が高くないし、中野くんがキラキラしているから…つい?」

「……っ」

中野くんが俺から視線を逸らしてしまった。
俺、そんな怒らせるつもりじゃなかったのに…

「あ、ごめんね、気を悪くしたかな?」

「してないけど…そうじゃなくて、その」

「何? はっきり言ってくれていいよ、俺、鈍感だから、言ってくれないとわからないよ」

「なんでもない。俺、ちょっと照れ屋さんなんです(香坂先輩限定で)」

「あ、そうなんだ。じゃあ、今度からは気をつけるね」

そっか、中野くん照れ屋さんだったんだ。
二回目の顔合わせで、中野くんが自分のことを話してくれるなんて嬉しい。
素直にそれを中野くんに言ったら、中野くんは黙って俺のことを抱きしめた。

ちょっと驚いたけど、中野くんの腕の中は優しくて、思わず、ふわっと意識が飛んでしまった。


だって、昨日、不安で不安で、眠れなかったんだもん。




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