１３
ずっと何処かで感じていたはずのことだった。
香坂先輩は人一倍、人に気を使っている。
優しい、と言ったらそれまでだけど…
俺がもっと速く追求してソコに辿りついたらよかったのに。
嫌われたくないなんて…
そんな寂しいこと俺に対して思って欲しくない。
「俺が香坂先輩を嫌うなんてそんなことないと思いますよ？」
「どうして？」
「どうしてって、好きだからですよ。とっても好きです」
「……あ、ありがと…う」
「お礼なんていりませんよ。勝手に俺が貴方を好きなんですから」
これからも勝手に好きでいますよ、と俺はつけたした。
だって、俺は、きっと、香坂先輩がどう思うと、香坂先輩のことを好きだと思う。
一目惚れした時、俺は貴方のこと何も知らなかったんですよ？
なのに、あの時から大好きで。
不思議ですよね。
この感情は一体なんなのかなって、思う。
恥ずかしいけどそういったことも、不器用ながら伝えたら、香坂先輩は安らかに笑ってくれた。
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