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「俺、もっと甘えて欲しいんです」

「ううん、充分、甘えているし、俺、甘え過ぎだしっ」

「遠慮しているのはわかっているんですよ!」

「でも…」


「俺、たまに、香坂先輩がここにいるのに、いないように感じて辛いです」


「……え?」

「変な話だと思うんですけど、なんか、その、大好きです」

ギュッと俺のことを中野くんは抱きしめ直すと笑った。

「あは、上手く言えないですね。ただ我がまま言ってほしいとか、そう言いたかったのかな…俺は…」

「我がまま…言ってもいいの?」

求めてもいいのかな…
ずっと一緒に居てほしいとか。
俺が卒業しても、もっと、未来も、嫌いにならずに、
俺のこと、好きでいてほしいなんて、
そんなこと、言ってもいいの?




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