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俺は生徒会室の前に立って、中野くんが今日の集まりに来るのを待っていた。
この前の集まりでは俺が邪魔をしてしまって中に入れなかったんだと思う。
だから、そのことについて、すぐに謝りたいと思っていた。
空くんにもこの決意を話したら『好きにしろ』と言ってくれたし、ちょっとくらいこうやってでしゃばってもいいのかなって自信がついた。
でも、緊張するから、深呼吸をしよう。
吸って、ゆっくりとはいて。
うん、なんだか、ホッとしてきた。
そういえば、今日はぽかぽかしていい天気なんだよねー
…やばい、うとうとしてきた。
そういえば、昨日は今日の集まりを考えていて、眠れてなかったっけ?
「だ、大丈夫ですか!?」
「え?」
な、何があったんだ。
俺は声が聞こえた方角を向いた。
あれ、中野くんだ。
他には……誰もいない?
じゃあ、と、後ろを振り返っても、きょろきょろと周りを見渡しても、
俺と中野くんしかここにはいなくて、
あ、さっきの中野くんの声だったっけとか思っていたら、中野くんは俺を見て微笑んだ。
本当に、王子様みたい。
「香坂先輩、俺を見上げないでください」
「え、あ、ごめん」
うっかりと綺麗だなと見とれていたら、顔を赤くして中野くんは言った。
やっぱりじろじろ見られるのは恥ずかしいよね?
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