=中野side=

放課後になると、香坂先輩とまた生徒会室で合えるんだと俺は廊下を駆ける。
るんるん気分で生徒会室のドアを開けて、香坂先輩に抱きついた。

付き合っていることは内緒にしているけども、きっと付き合う前の俺もこんな感じで香坂先輩に懐いていたから、問題ないと思っている。
ただ香坂先輩は顔を赤らめて、でも幸せそうにほほ笑むから…いつか周りにもばれるんじゃないかって俺は思う。
でも、それでもいいんだよね。
みんなわかればいいのにな。

香坂先輩は俺のことが好きなんだってさ!
そして、諦めて欲しいと願う。

別に香坂先輩のこと好きでいることはいいんだ。
でも、さ、どうしても感情が行きすぎる時ってあるだろう。
同じ男なのだからその辺はわかっているつもりだ。
だから、最後の俺の優しさとしては、香坂先輩は俺のものになったんだと屋上から叫びたいぐらい。

まぁ、香坂先輩が困った顔をしそうだから、しないけど。

だって、小さな声で「大好きです」と言ったら、香坂先輩は「俺も…」とささやくような声で言ってくれるから。

それがたまらなく幸せだから。

俺は陰ながらでいい(本当は主張したいけど)。
ただこっそりと香坂先輩のことを想うライバルは要チェックしている。
俺に抜かりはないはずだ。




- 75 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→


以下はナノ様の広告になります。
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -