48




=香坂side=

優しい手がある。
俺が落ち込んで悲しい時に、俺の頭を撫でてくれる、
優しい手がある。
その手の持ち主は、王子様のようにキラキラしている中野くん。
中野くんは一年生の後輩で、少し怒りんぼうさんで、
昔この辺を一つにまとめた不良らしいけど、
俺にはそれが理解できなかった。

だって、中野くんはとても人懐っこくて、いい子だもん。

空くんも木村先生も兄ちゃんもみんな、中野くんのこと誤解しているようだけど、俺だけは中野くんのことちゃんとわかっているんだと自慢げにいつも思ってた。



自慢げに思っていた…



一人ぼっちになって俺は唇をなぞった。
さっきも中野くんは俺のこと好きだと言ってくれた。

ずっと中野くんの好きは…先輩後輩としての好きだと思っていた。
でも、さっきのは…


「告白…みたいに…聞こえたんだけど…」




- 57 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→


以下はナノ様の広告になります。
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -