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………どうしよう!

香坂先輩の家に入れてもらったんだけど、どうしよう!

家具とかめちゃくちゃ可愛いし、何よりその中で動く先輩が可愛くて仕方ない。
猫の顔のスリッパをはく香坂先輩を見て、いままで、スリッパはスリッパであればいいのに、どうしてアニマルにしたんだと思っていた自分が馬鹿らしくなる。

朝、友達と喧嘩して散々だったけど、こんなにいいことがあるなんて…

でも、ちょっと問題もある。

路地裏に香坂先輩を引きこんで隠れた時に、香坂先輩を抱きしめて、そのなんていうのか、ドキドキしている。
服ごしに伝わる体温だとか、息つかいだとか、匂いだとか…

駄目だ思いだしたら、理性が飛びそうだ。

俺はソファに座りながら、前かがみになり、テーブルに頭を叩き込んだ。
邪念が飛べばいいと思ってのことだったが、それを心配そうに、香坂先輩が覗きこんでくるから…俺は…

思わず、ソファの上に香坂先輩を押し倒してしまいました。

「…っ」

俺はこんなにも切羽詰まっているのに、香坂先輩は呑気にどうしたのって笑っていて、少し、だけ、腹が立ってしまった。




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