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路地裏を進んだ先に、俺の家があった。
俺は驚いた。

あそこからここまで、路地裏で続いていたんだ。

中野くんに、ここ俺の家だって、言いたくなって、俺は口を閉ざした。

すると、中野くんは笑って俺の方へと振り向く。

「もう、いいですよ。すみませんでした。急に黙って付いて来い見たいな展開になってしまって」

「そんな、そんなことないよ。あ、ね、ここ、実は俺の家なんだ」

そう言って、俺は自分の家を指差した。

「へぇ、そうなんですか? 香坂先輩に似合ってる感じに、可愛らしい家ですね」

「俺に似合っているかはわからないけど、とっても可愛いんだよ。俺の兄ちゃんの趣味なんだけど、家具とかもこだわって集めてくれて…」

……しまった。俺、兄ちゃんに、口止めされていたんだっけ。
家の中のものとか可愛らしいのは、自分の趣味だと言わないようにと。
俺と兄ちゃん二人だけの秘密だって…約束していたのに。
俺って、最低。

とりあえず、中野くんにはことの次第を説明して、家の中の家具とかが可愛いのが兄ちゃんの趣味だってことは忘れてほしいとお願いした。
中野くんは簡単に了承してくれた。




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