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中野くんのことがもっと知りたいと思って、さっきの子のとことか聞こうとしたら、拒否されてしまった。

「ごめんね、図々しかったよね…」

…中野くんに、拒否されるなんて俺は考えてもみてなかった。
中野くんなら、気軽に、いつもみたいに笑って、話してくれるんじゃって思っていた。
勝手な、考えだ。

だから、そんなことで傷つく自分が許せない。
中野くんは悪くない。
悪いのは俺。
なのに、どうしてこんな些細なことで傷ついて、中野くんを困らせているのだろう。

「香坂先輩、そんな顔しないで下さい」

「ごめんねっ」

「…いえ、謝らなくていいですよ!」

「う、うん…」

どうしたらいいのかわからなくて、俯いたら、中野くんが俺の頭を優しく撫でてくれた。

それが安らかで嬉しかった。




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