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「え、まじっすか。男なんですか?」

「うん、えっと俺のことだよね。よく間違えられるけど、そうだよ?」

驚いている後輩に、香坂先輩は、戸惑ったかのように答えた。
へへ、諦めな、後輩よ。

「男…ですか、でもすっごく好みっす」

にこにことそう言って、後輩は香坂先輩に飛びついた。

「ちょっ、お前!」

香坂先輩は俺の香坂先輩なんだって必死になって、俺は二人を引き離すと、そのまま香坂先輩の手をとって、後輩に別れを適当につけた。

「もう帰るんすか? あんな家に」

「俺もう反抗期は終わったんだよ」

「それは知ってますが、俺もう少しだけその人とお話…」

「させるか!」

どこか不満げそうに後輩はなんやかんや言っていたがそれも適当にかわして、俺は香坂先輩の手を握ったまま夜道を歩きはじめた。

あまり、あの後輩と一緒にいさせるのはよくない。
そう思ってのことだったんだけど…




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