あなたに恋に出会いました
高校三年生になって、生徒会長を任せられた。
たいていのことは頼まれると、嬉しくて断れない俺は、一つ返事で、選挙に参加して、就任したものの、
今さら不安になる。
俺なんかに務まるのか…？
うぅ、心配すぎる。
でも、副会長はお友達の、空くんだし、大丈夫だよね。
きっと大丈夫、うん、大丈夫。
「さっきから。生徒会室の前で、なにしてい…」
はじめての集まりがある日、俺は生徒会室になかなか入れず、扉の前で、深呼吸をしていたら、声をかけられた。
振り返ると、そこにはまるで王子様のように整った顔をした中野くんがいた。
噂は本当なんだと俺は少し見とれてしまう。
女の子が今年一年生で王子様が入学してきたって言ってたのもわかるな。
あの時は遠くから見ただけだったけど、近くだと余計に輝いて見える。
本当に同じ人間なのかって思うくらい、かっこいい。
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