「え?」

急に真剣な顔をした空くんに俺は戸惑った。
いつもなら『中野くんに対してそんなもの言いやめて』なんて、簡単に言い返すのに。
どうしてだろう、俺はただ黙って頷いてしまった。

あまりにも空くんが、真剣だったからかな?

「まぁ、そんなことよりも香坂」

「な、何?」

「たった一カ月で…いやなんでもない」

ふにゃっと笑うと空くんは誤魔化した。


「そういえば、駅前に新しくできた、おはぎ屋さん行かないか?」

「うん、行きたい。でも、空くん…」

さっきは何を言いかけたの?
とても辛そうな顔をして、諦めついたような笑い方をして。
不安になって心配になって俺がそう聞こうとしたら、空くんは

「おはぎおごってあげるからね」

と、わざと話を戻してくれなかった。
おはぎは楽しみだけど…空くんが元気ないのは寂しい…。




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