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杉田が優しい顔をするから全部話してしまった。
ずっと何処かに感じていた不安やらなんやら。

関係ないと割り切っていた昔の話もした。
弟が苛められていて俺が、毎日喧嘩ばかりしていたことも。
また、泣き虫なことも。
すぐに誰かに頼りたくなることも。

杉田のこと好きだから、
いつか背中を向けられるんじゃないかって、
背伸びをしていたことも。


みんな話したら、
俺の身体の中が軽くなったような気がした。


「そう、俺はそんな土屋がやっぱり好きだよ?」

「え?」

「いろいろ聞いて思った。やっぱり俺は土屋を好きになってよかったなって」

「は?」

最低な話の何処に俺を好きになってよかったなんて思えるんだろう。

「だって、土屋のそれは、土屋が優しいから、傷ついてしまっただけの話だ」

俺は何も悪くないんだよって、杉田は優しく俺にキスをした。





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