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「え、なんで、さっきの俺の話を聞いて…どうしてそんなことが言えるんだ?」
「土屋が、すごく俺のこと、俺のこと思ってくれているって言うから!」
「…は、あああーっ! そ、それは、そうだけど…うん」
顔を真っ赤にして土屋は笑ってくれた。
俺もそれが嬉しくて笑った。
「不安になるなら言って。時間がかかってもいいから、俺に言って。それで俺が傷ついてもいいから。俺、土屋からもらえるものならなんだって欲しいよ。…あ、愛がこもっていないのはいらないから」
「…は、なんだよ、それ?」
「愛がないのは…形だけはほしくないってこと」
俺の父さんや母さんのような。
俺は、土屋の重みになるかもと思いながらも、俺の家の話しをした。
じゃないと、上手く今の俺の気持ちを言えない気がしたから。
「…楽しい話じゃないけど、ごめん。聞いてほしかったんだ。土屋に知ってほしかったんだ。それでも、いいよって俺のこと認めてほしかった」
「え?」
「土屋も一緒じゃないのかなって思って」
なんだかんだいって俺と君は似ていたね。
だから、きっと、怖くて言えないことは言って認めてもらってホッとしたらいいよ。
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