7
「えっと、これはクリアっと!」
更生お願いねリストの一番下にあった、難しくて読めない名前に、俺はチェックを入れた。
「………杉田、あのさ、さっきから何をそんなに拗ねているんだ?」
「別に…」
面白くなさそうに俺と目をあわせようとしない。
はじめはただ外だから気を使って素っ気なくしているのかとも思っていたけど、俺の家の中でまでそんなに冷たくされたら、俺が寂しい。
「別にって顔してないじゃん」
俺は強引に杉田の顎を掴んで俺の方をむけた。
杉田は俺の顔をじっと見て、笑った。
「あ〜馬鹿らしい。拗ねて損だったぁ」
「何を拗ねてたんだ?」
「俺しか知らないと思っていた土屋のこと、少しでも…図書室の先生が知っていたのが嫌だったんだ。独占欲丸出しで格好悪い話だけどな」
「なんだ。杉田もそう思ってくれたんだ」
「え?」
「俺も、俺と杉田だけだと思っていたのになって、ちょっと拗ねた」
[*前] | [次#]
目次に戻る→
以下はナノ様の広告になります。