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「土屋は、変な奴だ」
先生はそう言って笑った。
よく見ていないとわからないくらいの小さな変化をつけて。
「杉田が惚れこむのも無理はないのかもしれんな」
「「……え!?」」
先生のとんでもない発言に俺と杉田は声を上げた。
惚れこむって何?
俺と杉田の関係知っているのか?
え、なんで?
「……隠していたつもりだったのか?」
「はい、それはそうですね」
「いや、でも俺には無理だろう。図書室でイチャイチャしていたじゃないか?」
「…ちょっと待て、聞こえていたのか?」
急に杉田が顔を真っ赤にして怒るように言った。
「忘れろ。忘れてください。可愛い土屋は俺だけが知っていたらいいんです!」
「…ぷっ杉田がそう言うなら忘れてやってもいい。だが、今度の風紀委員会の集まりでは俺を全力で歓迎しろよ」
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