今度、図書室の先生に聞いてみようと、俺たちはその日、二人だけで話しあった。

次の日、図書室に訪れると、杉田が先生の名前を呼んで彼に質問した。

「風紀委員の、副顧問なんですよね?」

「名目上の話だ。委員会は何処も主顧問と、副顧問がある。俺は頼まれて名前を貸しているだけだ。だから、知らん」

淡々と彼は言って、俺を見つめた。

「土屋だったか…?」

「あ、はい、そうですが?」

「そうか、土屋。いつも杉田が、世話になっている。いつか、何処かでお礼を言いたかったのだが、何時言えばいいのかわらんで、そのままになっていた。杉田をここから連れ出してくれて感謝している」

「え、いえ、そんな…俺は何も。ただ杉田が頑張るって決めたのが、やっぱり一番の要因だと思いますし、俺の方こそ、先生には感謝しております。今まで、教室に行けない杉田をここにかくまって下さっていたこと、本当に」

「…勘違いだ。俺はめんどくさかった。だから、そのまま、杉田のことは見てみむふりをしていただけにすぎない」

「先生は、素直じゃないですね。あ、ああ、すみません。失礼なこと言って。でも俺は思うんですよ。名目上とか、たまたまただとか、そう言ってしまわれずに、気になるなら、勇気を出して風紀委員会の会議に参加して下さればと。そうしたら、俺と杉田で全力で歓迎しますよ?」





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