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=土屋side=
杉田の図書室の先生が俺のこと心配してくれたんだっていう話を聞きながら、俺は、更生よろしくねリストの一番下に、乗ってある名前を思い出した。
「土屋?」
「え、あ、なんだ?」
杉田が心配そうに俺の名前を呼んだ。
どうしたのかと顔を会わせたら、格好悪い表情を浮かべられた。
ちょっと、俺は平気だけど、それは人前でしない方がいいと言ってやるべきだろうか。
「もしかして、ヤキモチ妬いちゃった?」
「いや、妬いていなんかいない。ただ、杉田、その顔はあまり見れたものじゃないから、他人の前でしないように心掛けろよ?」
「……土屋、俺のことそんなに思ってくれて…いたんだ」
「す、杉田?」
完全に何か誤った解釈をされていると、俺は気がついたが、どうやってそれを正せばいいのかわからない。
それに、杉田が嬉しそうだし、このままでいいのかなって思った。
だが、やっぱり…
下校途中の道端で抱きつかれるのだけは勘弁だから、俺の家まで抱きつくなと言っておいた。
杉田はデレデレとした顔で笑った。
正直、そんなに懐かれると、俺の方もデレデレしそうだ。
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