「変なところで真面目だな」

図書室の先生は溜息をついて続ける。

「また逆戻りしたのかと心配した。それならいいんだ。ゆっくりと俺の本たちと過ごしていけ」

「俺、本は好きですが、読書はあまりしません」

「ただ一緒にいるそれが大切なだけだ」

「そうですか?」

ああ、と先生は頷くと、俺に興味をなくしたかのように、貸し借りカウンターの方に姿を消して行った。

新一年生の噂には聞いていたけど、無愛想な人だ。
だけど、とてもいい人だって俺は思った。
俺のことなんて心配して声をかけてくれたんだろうから。

なんだかわからないけども、俺はそれが嬉しくて、胸の中が躍った。



*****


その話を土屋にしたら、土屋は興味なさそうに頷いていた。
ちょっと共感してほしいと思っていたから、それが悲しかった。





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