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言わなくても伝わるものだと思っていたことが
たくさんあったけど、
ちゃんと伝えないと伝わらないこともあるのだと
俺ははじめて知った。
これからはちゃんとしますなんて都合がいいけど
そんな駄目な俺にキスをして笑う貴方が
とても可愛くて、
思わず、泣いてしまった。
それが格好悪いからと目線を逸らしたら、
そんなことないよって
貴方は嬉しそうに瞳を細めた。
愛しているよなんて貴方に言われたら、
俺はとても幸せで、
どうしたらいいのかわからなくなって、
そう伝えたら、
もっと俺のこと愛してよなんて
貴方は冗談のように言った。


「愛しすぎて馬鹿になりそうです」


憶病な俺は本当は伝えることで
伝わらないことが怖かったのかもしれない
と気がついたのはまた後のお話だけど、


「俺はすでに馬鹿になった」


と言った、先生に俺はまた恋をした。




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