放課後、職員室に行ったら先生がいなかった。
……別に俺はそんな勘違いはしないけど、でも聞いてみたいと思った。もしも、もしも、本当に内田の言っていることが本当なら、俺は。

「わ…っ」

しょんぼりとしながら、俺が廊下を歩いていたら、曲がり角で人にぶつかりかけた。でも今回はちゃんと避けられた。
「すみません」
そう言って去ろうとしたら、そこに居たのは先生だった。
俺はとっさに先生の肩を掴んでしまった。
「あ、すみません」
「ううん、気にしてないよ?」
可愛らしく笑って先生は俺を見上げた。
……先生は俺のこと好き?
「遠山君、どうしたの?」
「え?」
「ぼーとしているよ、風邪?」
そっと俺のおでこに先生の手が近づいてくる。

「そうじゃないです。あの、先生は…その」
俺のこと好きなんですかって言いかけて俺は言葉に詰まる。
「何でもないです」
「嘘、すっごく何か聞きたそうだったよ!」
「あ…その、内田が言っていたんですが…その……先生が俺のこと好きでいてくれているって言ってて…本当なのかなって」
「……っ」
かあぁあと一気に顔を赤らめて先生はそっぽを向いた。
どうしよう、何も言われていないのに、俺は思いっきり好きだって先生に言われた気がした。
「あの、俺はずっと先生のこと好きでした」




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